麹づくり~味噌仕込み 2019

例年行っている麹づくりと味噌の仕込みを今年も行いました。日本酒や御味噌をこの時期に仕込むことを寒仕込みと云いますが、気温が低いため雑菌が少なく、発酵もゆっくり時間をかけてスタートするため深みのある美味しさに繋がるようです。我が家では、例年少しずつ仕込みの方法を変えて試していることもあり、備忘録として記録しておこうと思います。

さて、まずは麹づくりです。前の晩に米5kgを7分搗きで精米し、洗って浸水しておきます。7分搗きとしたのは、粘りの出ない精米の度合いで、かつ玄米に近いと麹が着きにくいために程々のところを狙ったものです。翌日、ザルにあけ、2時間程水切りして蒸し器に移します。

米の蒸し始め

蒸し器に移した米。これを時計型ストーブで沸騰させた鍋の上に載せます。

米を蒸す

細薪がたくさん残っていましたので、これを燃料にしました。

細薪

長さ40cmくらいの細薪をペール缶いっぱい使って、約1時間蒸しました。火加減はこれくらい。

時計型ストーブの燃焼

かなり強火。途中で蒸し器の上下を変えました。

次に蒸し上がった米を食卓の上に移動させて、

蒸し上がった米

これを広げて40℃くらいまで冷まします。

米を冷ます

放射温度計で温度を測定しながら作業を続けます。

蒸し米の温度測定

40℃くらいになったら、種麹を振りかけます。

種麹を振る

今回使った種麹。

種麹

京都の菱六さんの「長白菌」です。

降り掛かった麹

万遍なく振りかけたら、手で良く混ぜます。

麹を混ぜる

良く混ざったら、おにぎりのようにボールを作っていき・・・、

おにぎりにする

全部がボール状になったら、30kg用のクラフト紙で出来た米袋に入れていきます。クラフト紙を使うのは蒸れ過ぎを防止するため。ボール状にすることで中に隙間ができて空気が通りやすくなります。

米袋に入れる

温度は30℃を切るくらいになっていました。これを温めておいた炬燵に入れて保温をします。

炬燵に入れる

我が家では薪ストーブの設置以降、炬燵を暖房器具として使うことはないのですが、麹づくりのために処分できずにいます。(笑)

この状態で麹菌の活動が活発になるまで保温をします。但し、40℃を超えることがないように注意しなければなりません。40℃を超えると納豆菌が活発化して麹づくりは失敗してしまうようです。我が家では、まだ失敗したことはないので、どんな状態になるのかは分かりません・・・。炬燵で保温を開始したのが午後5時頃でした。翌朝には部屋全体に甘い香りが漂っていたので、麹菌が元気よく活発になっていたことが直ぐに分かりました。この後、炬燵のスイッチを切り、毛布に包んで保温することにしました。この辺の保温の加減は経験を積むしかないのですが、私達も温度計を使いながら慎重に行っています。種付けから48時間くらいで麹が出来上がりました。

麹の出来上がり

次に、この麹を使って御味噌を仕込みます。今回は時間の調整ができたので、このまま味噌仕込みに移りました。すぐにできない場合は、冷蔵庫などでしばらく保存します。出来上がった麹のうちの4.5kgと、塩2kgを混ぜて塩切り麹というのを作ります。

塩切り麹

こんな感じになります。残った麹は甘酒や塩麹に使います。決してドブロクなんかには・・・。

さて続き、大豆は麹と同じ4.5kgを用意し、前の晩から18時間浸水させました。それを時計型ストーブで同じように蒸し上げます。

大豆の蒸し始め

大豆を蒸す

昨年までの大豆は茹でていたのですが、今年は初めて蒸し上げることにしました。栄養素と旨味を茹で汁に逃がしてしまわないように考えての試みです。さてどうなるでしょう。(笑)

蒸し上がった大豆はミンサーで潰していきます。

大豆を潰す

このミンサー、私の祖母が使っていたもの。まだまだ現役です!

この潰した大豆を先程の塩切り麹と混ぜ、樽に仕込んでいきます。混ぜている時の写真は撮れませんでした。混ぜたものを玉にして投げつけ、空気を抜きながら樽に詰めていきます。

樽詰め

樽いっぱいに詰め終わった状態です。これにカビ除けの塩を振りかけて終了。約20kgの御味噌の仕込みが出来ました。

塩をまぶして終了

あとは袋の口を絞ってから樽に蓋をして、冷暗所に仕舞って約半年間、発酵~熟成を待つことになります。さて今年の出来はどうなるでしょう。仕上がりが楽しみで待ち遠しい・・・。