ミツバチ近況170618

6月7日に梅雨入りしてから、ここ紀美野町ではわずか1日しか雨が降っていないように思います。周りの植物はちょっと疲れ気味の様子ですが、ひときわ元気の良い者達がいます。

みつばち2

例年であれば、今頃は雨がシトシト降る中、濡れながら花蜜を集めているところですが、今年はカラッとした気候の中、花粉と花蜜を求めて飛び回っています。

巣も大きくなりました。5月7日に巣箱に入ったコロニーですが、5月20日ではこんな様子だったのが、

分蜂群1

1ヶ月程経った今、ここまでになりました。

みつばち3

巣箱の内寸が27cm×27cmなのですが、既にいっぱいになっています。巣の高さは25cmといったところでしょうか。
ちなみに1ヶ月前の上の写真では、巣の直径が18cmくらい、高さが15cmくらいです。

ここで、ある方から質問をいただいたこともあり、少しお答えさせていただきます。なぜ巣箱の中に十字の棒が取り付けられているかということですが、夏の暑い時期に巣箱を動かす際、蜜蝋で出来ている巣が柔らかくなっていることがあり、蜜や幼虫などで重くなった巣が落下してしまうのを防ぐためなのです。巣箱を動かすことは蜜を採る時もありますし、たまに巣箱の中にクモやゴキブリなどの侵入者がいることがあり、その場合には巣箱を横に寝かして追い出したりすることがあるのです。

さて、ミツバチが集めてきた花蜜ですが、50~80%くらいの水分が含まれています。このままでは蜜の保存ができないので、20%くらいまでその水分を減らし糖度を上げる必要があります。そこで、働き蜂は連携プレーで巣箱の中に気流を作り、湿気を含んだ空気を換気して水分量を減らしていきます。巣箱の入口の外には数匹の働き蜂が並んで、外の空気を内部に送風しています。実際に指を近づけると気流が生じているのが実感できるほどです。

みつばち

濃縮された蜜は巣の上部の巣房(6角形の部屋)にためられ、蜜蝋で蓋をされます。

蜂蜜というのは、ただ単に花蜜を濃縮しただけのものではなく、ミツバチが出す分泌物でショ糖をフルクトースやグルコースに分解していたり、その過程でphの調整が行われてバクテリアが繁殖できない弱酸性の状態を作ったりしているとのこと。この辺りのことも、いずれ記事にできればと考えています。

それにしても、コロニーの中でそれぞれの役割を健気に果たす働き蜂を見ていると、とても愛おしく思えると同時に我が身を振り返えって何だかとても恥ずかしくなってしまうのでした・・・。