キイロスズメバチ vs ニホンミツバチ vol.2

今年、我が家でたった1群だけのニホンミツバチのコロニーですが、梅雨明けの晴れ間を待っていたかのように活動し、巣箱から6~7m程離れた家にいても羽音が耳に届く程だったりします。

ミツバチ巣箱20190726

そろそろ、スズメバチも盛んに動き出す頃だと思い、念のために梅雨明け前から出入口に金網を設置しています。ミツバチは通過でき、かつスズメバチには通過できないであろう大きさの網目を選んでいます。

ミツバチ20190726

様子を見に行くと底板の下に何やらミツバチの塊が出来ていました。

蜂球1

これはスズメバチを蒸殺しにする蜂球に違いないと思い、観察することにしました。

蜂球2

しばらくするとミツバチの塊の中にチラッとスズメバチの姿が確認できました。身体が小型のキイロスズメバチだと思われます。蜂球でのキイロスズメバチの熱殺は、以前にも記事にしていますので、よろしければそちらも参考にして下さい。(「キイロスズメバチ vs ニホンミツバチ」2017/9/20)

今回はその第2弾です。2~3分すると、やはりキイロスズメバチの怖そうな顔が現れました。

蜂球4

しかし、この時点でキイロスズメバチは既に御釈迦となっているようでした。次々とミツバチが離れて行き、次第にキイロスズメバチの姿が現れてきました。

蜂球5

今回のように底板にぶら下がる蜂球を見るのは初めてです。最後はミツバチの脚1本で繋がっているだけの落下寸前の状態に・・・。

キイロスズメバチ落下寸前

そして、とうとう落下。

キイロスズメバチ落下

落下する時に、まだ離れずにいるミツバチもいましたが、それもしばらくして巣箱に戻りました。キイロスズメバチの亡骸は、巣箱の下で待ち構えていた蟻のエサになるべく、すぐに蟻達に取り囲まれました。蟻は、女王アリや働きアリなどに役割が分化していたりと、ハチと共通する特徴をもつ社会性のある昆虫です。また、オスは交尾を行うためだけの存在で、共に女性社会だったりもします。

その後、1匹のミツバチが巣に戻ることが出来ず、息絶えてしまいました。犠牲者も出てしまったのでした。

キイロスズメバチ亡骸

しかし、これらの亡骸も決して無駄にはならず、アリのように次の命へとバトンを渡していく生物が存在しています。そんな生態系のワンシーンに出会うことができたのでした。本来、全ての生物がバトンをリレーしていく役割を担っていて、生きることと死ぬことを通じて、それを至極当たり前に、そしてしっかり果たしているのですね。翻って私達人間の死についてはどうなのか、しばし考えさせられた時間だったのでした・・・。