お茶摘み2017

茶の葉

5月初旬は毎年恒例となっているお茶摘みの時期なのですが、先週ようやく快晴の日を見計らって行うことができました。
今年は少し遅くなってしまったので、葉が大きくなり過ぎている樹もあります。

お茶の葉は先から3枚目で摘むのが基本。一芯二葉(いっしんによう)と云います。

お茶摘み

こんな風に少しずつ摘んでいくのですが、我が家の1年分のお茶を確保するのはなかなか大変だったりします。
妻とふたりで黙々と摘んでまいります。

とはいっても、先日立夏を迎えてとても気持ちの良い季節。
山ではミツバチの大好きな椎の花が咲き、その香りが満ちています。
外でこんな作業ができることに喜びを感じてしまいます。

お茶の樹は特に栽培しているわけではなく、以前から植えられていたものや、その種が落ちて自生しているものばかり。とても強い植物のようです。私たちのお茶の樹にも山のツル植物が絡まり覆ってしまっているものがほとんどです。もう少し手をかけても良いのかもしれませんが、我が家の1年分とお客様にお出しする分としては、そこまでしなくても充分といったところなのです。

こんな風に樹の陰でもじゅうぶん育ちます。

茶の樹

といいますか、木陰の方が葉が柔らかく育ち、良い茶葉になるようです。

話は少し逸れてしまいますが、最近、アグロフォレストリー(Agroforestry)という方法で栽培されたカカオを使用したチョコレートやアサイーの商品が販売されていたりします。中でもブラジルのアマゾンにある、日本人移住地のトメアスで行われているアグロフォレストリーはよく知られています。植樹と共に商品となる複数の植物を組み合わせて植えることで、土地から現金収入を得ながら、多様な生態系をもつ森を育てていくことを考えた熱帯地域の農法のようです。


※トメアス式アグロフォレストリーを紹介する動画です。

温帯気候区での例はまだ少ないようですが、例えば杉の森の木陰を利用するシイタケ栽培などはその一つと云えそうです。そういう意味でも、お茶の樹なんかは中高木の陰で美味しく育つことができるので、アグロフォレストリーに適した植物のような気がします。ただ日本の森は山の傾斜地が多く、林業と農業が組み合わさったようなアグロフォレストリーを現在のような効率重視の経済に取り入れていくには色々と問題が多いのかもしれません。ですが、私たちのような自給的な農のある暮らしや、パーマカルチャーのひとつとして取り入れていくには、とても充実したものになるような気がしています。

我が家にある傾斜のついた畑は、元は柿畑で今でも数本の樹が残っていますが、その株元にはミョウガが植わっていたりします。コンパニオンプランツとしてよく知られている組み合わせですが、これもアグロフォレストリーの考え方のひとつと云えそうです。

柿の木とミョウガ

日陰を好むミョウガに柿が木陰を提供し、ミョウガは地表を覆って柿の根を夏の乾燥から防ぐ効果があるようです。
ちなみにコンパニオンプランツとは、このミョウガと柿の組み合わせのように一緒に植えると互いによい影響を与え合う植物同志のことです。

さて、お茶摘みの話に戻って、摘み終わったお茶の葉はその後、台所で蒸し、揉んでから天日に干します。

茶葉の天日干し

2日にわたり、快晴の天日にカラカラになるまで干しました。
これを瓶に詰めて乾燥を保ち1年間いただきます。
夏に水出しで飲むお茶は最高で、暑さがとても和らぐのです。お客さまにも大変好評です。

新茶の試飲

さて早速、出来立てを試飲。
今年も美味しくできたのでは・・・。(笑)