石臼挽き地粉でいちじくタルトづくり

先日、設計中のお客様からイチジクを沢山いただきました。

イチジク

写真はその一部、ドーフィンという品種だそうです。とてもきれいな色をしています。生食でも沢山いただいたのですが、まだまだ残っていますので、折角ですからお菓子にしてみることにしました。クックパッドで検索し、気に入ったレシピを見つけました。「いちじくとクルミ☆タルト」です。バターを使わず、手軽に手作りタルトを楽しめるレシピというのが気に入りました。

早速取り掛かるのですが、今回は小麦を挽くところから始めます。ここで、我が家の石臼が登場です。

石臼

小麦はうちの畑で収穫したおませ小麦。和歌山県の在来種の小麦です。石臼は中古品を見つけて安く手に入れたものです。これをゴリゴリ挽くのがまた楽しく、石臼は熱をもたないので小麦の香りがしっかり残るのです。この作業、手間といえば手間なのかもしれませんが、何とも贅沢な時間です。他の人がどういう風に使っているかはよく知りませんが、うちの場合、お菓子に使うときは2~3回程挽くことにしています。1回では挽き切れません。挽く回数を増やせばフスマが細かく粉になり、いわゆる全粒紛に近くなっていきますが、フスマ全部を粉に挽き切るのは難しいと思います。

石臼挽き

1回目を挽いた後、上臼を外した下臼だけの状態です。粉を受けている木製のお盆に挽き切れていない小麦の粒が残っているのがお分かりでしょうか。この粒混じりの粉と下臼の溝に溜まっている粉を、写真左下の小箒で掃き集めて、篩(ふるい)にかけ、残ったものを更に石臼で挽いていきます。今回は2度挽きとしました。篩の目は30メッシュです。パンに使うときは、もう少し目の細かい篩を使っています。ここで手前味噌ではございますが、上記の小箒はうちの奥様の手作りです。棕櫚(しゅろ)の皮の繊維を材料とする箒の職人をしております。(→棕櫚箒製作舎HP

さて、2度挽きした後の地粉とそのフスマです。

製粉後

フスマはニワトリ達の餌となります。

クックパッドのレシピに沿ってオリーブオイルとキビ砂糖を混ぜ、うちのニワトリが産んでくれた卵を溶き、さらに一緒に混ぜた後、冷蔵庫で30分程寝かせます。その間にイチジクを適当に切って、ハチミツに馴染ませます。もちろんハチミツは我が家の日本ミツバチの巣から採蜜させていただいたものです。残念ながらレシピ通りにクルミのストックはなかったので、ナッツの風味を出すために、少々アレンジして、昨年の秋に畑で収穫した金ゴマをふりかけることにしました。今回のお菓子はかなり自給率の高いものになっています。(笑)

さて、冷蔵庫から出した生地で型を作り、イチジクなどを載せていきますが、ここでピンときて、初夏に収穫して冷凍しておいたブラックベリーをトッピングすることにしました。この酸味がアクセントとなって正解でした。

オーブンに入れる前です。

焼く前のいちじくタルト

焼き上がりは、こんな感じ。

いちじくタルト

生地がサクサクで、石臼挽きの小麦の香りがたまりませんでした。イチジクとブラックベリーの果汁が染み出してハチミツと共に火が通ることで飴状になっています。またイチジクの風味がとても凝縮されていて、このレシピを考えた人はとても素敵ですね。金ゴマの香りがもう少し効いていても良かったかな~と、ふりかける量をケチってしまったことには少々後悔が・・・。

我が家は山暮らしのため外食をすることは少ないのですが、我ながらとっても贅沢な暮らしだな~なんてブログを書きながらあらためて思ったのでした。